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老馬主vs通 vol.2

俺の敬愛する老馬主がまたまた炸裂させてくれた。

その日3件目の打ち合わせの最中に電話が鳴った。打ち合わせ中には電話に出ない主義の俺は、携帯電話に目をやり電話の主が老馬主であることを確認した。時刻は夕方の5時。いつも早朝電話がお決まりの老馬主だけに、この時間帯に電話が来るのは珍しい。違和感がありながらも、打ち合わせを続けた。

打ち合わせ終了後、自分の部屋に戻り、折り返しの電話をする前に留守電をチェックし老馬主の伝言を聞く。妙に声が明るい。悪い予感がする・・・。

通「あ、折り返し遅くなってスミマセン。打ち合わせしてたので出られませんでした。」
老「ああ、そんなとこだろうと思ってたよ~。そういえばさ、あの~、あれさ、あれは・・・、えーっとあれさ・・・、えっと、あの・・・、ああ!今週トレセンに馬見に行くんだって?」

通心の声
(マジか・・・。トレセンに馬を見に行くかどうかを聞こうとして、そんなに言葉が出てこないって・・・とうとうお迎え来ちまってるのか???つーかなんで俺の予定知ってるんだ?)

通「はい、そのつもりだったんですが、仕事の都合で行けなくなっちゃったんですよね・・・しかも今週は変則開催の煽りで木曜日に本追い切りやるので、予定空けられなかったんですよ・・・」
老「そうそう、知ってるよ~(笑)」

通心の声
(知ってんのかい!!知っててなんでそんな質問してくるんだ?つーか「そうそう」ってなんだよ!何か試してるのか?それとも何かたくらんでるのか?)

老「さっき、○○君(←先輩馬主)から電話があって、通君は行けないって聞いてたからね!それはそうとさ、ひとつ提案があるんだけどさ、俺の持ってるOP馬居るっしょ!あれさ、みんなで共有で持たないかい?さっき、○○君にも言っといたんだけどさ、まだまだ走るし、稼いでくれると思うから、一緒に持とうよ!安くしとくからさ!」
通「え?本気ですか?何%くらいの共有にするつもりですか?」
老「何%でもいいから、通君に取りまとめ頼もうと思ってるんだわ~!みんなで一緒に持ってた方が楽しめるっしょ!」
通「・・・・・・」

通心の声
(嘘だろ・・・。OP馬って言っても3歳4歳ならいざしらず、もうかなり高齢の馬だぞ・・・。重賞路線使って賞金拾えるか?イヤイヤ・・・無理だろ。どう考えてもこれから共有してリクープするとは思えねーぞ。いくらだ?老馬主はいくらで、俺たちに押し付けようとしてるんだ?ヤベー、頭真っ白だ。どう断る?どう断る?あああああ。)

老「もしもーし、もしもーし、あれ?電波悪いのかな?もしもーし?」
通「あ・・・スミマセン。車で移動中なので電波が悪かったです。ちなみに、共有するのはいいと思うんですが、いくら位でお考えですか?」
老「そうだね~いくら位が妥当なのかなぁ・・・通君ならいくらくらいだと思う?」

通心の声
(うわ・・・。このパターンだよ・・・。必殺人のせい・・・。怖えーよ・・・マジでこの人怖えーよ・・・。しかも、高齢馬の取引って言うモノスゲーやんちゃな商談なのに、なんでこんなに「俺って良いこと言ってるだろう感」がハンパじゃねーんだ?結局、俺が値段を言ったって、低い値段を言えば、そんなに安くないでしょ~って言って、値段引き上げるパターンで、結局思い通りの値段を言わされ俺が値段つけたことにされちまうんだよな・・・。俺はエージェントでもねーし、老馬主さんの馬係でもねーんだぞ・・・。どうする?どうかわす?)

通「そうですね~・・・(プププッ、プププッ)」

通心の声
(ん?キャッチホンだ。うわ、先輩馬主だわ・・・。おそらく、老馬主から共有の話を振られて困って電話してきやがったのか?もう少し、老馬主の思惑を探らなきゃ先輩馬主に説明も出来ねーぞ・・・)

通「そうですね~、相当決めづらいですよね・・・」
老「そうしたらどうだろうね?半分の50%で2000万円なんてのは?」
通「・・・・・・・・・」

通心の声
(本日二度目の絶句だ。マジでびっくりしすぎて、老馬主よりも先に俺にお迎えが来ちまうんじゃねーかと思ったわ。つーか、あの馬に2000万だと?嘘だろ?下手したら、あと2・3走で引退だぞ。老馬主が言うとおり、みんなで楽しもうよ!って言うなら高く見積もっても500万だと思ってが、2000万だと?どうする・・・どうするんだ俺・・・)

老「もしもーし、もしもーし、あれ?電波悪いな~。やっぱり高く言い過ぎちゃったかな?もしもーし、もしもーし」
通「・・・・・・・・・・・・」

通心の声
(聞こえてるよ。独り言まで全部聞こえてますよ・・・。こりゃ駄目だ、たまにはガツンと言ってやらにゃこの暴走は止まらんぞ・・・)

通「あ・・・スミマセン、めちゃくちゃ電波悪くて・・・トンネルの中に入ってました。「そしたらどうだろね?」の後がちょっと聞こえなかったんですが、もう一度よろしいですか?」
老「ああ、もしよかったら、半分の50%で1500万くらいでどうかな?って言ったんだよね~、どう思う?」
通「!!!!!!!!!!!!!!!」

通心の声
(嘘だろ・・・、この瞬間に500万切り下げてきやがった・・・。なんていう空気読みの鋭さとと、瞬発力だよ・・・。お迎えなんて全然先の事並みの回転の速さだぞ・・・。っていうか、なんにしても高けーよ・・・。)

通「あ、スミマセン。1500万ですか?いやぁ、どうでしょうね。あの馬もう高齢ですし、お声をかけてくださったことはありがたいですが、老馬主さんの馬運でここまで好走したんですから、最後までお一人で持たれた方がいいと思うんですけどね!思い入れも強いでしょうし、重賞でもまだまだ好走しそうじゃないですか!今になって、私どもが手を出して、おいしいどこ取りする訳には行かないですし、もし走らなくてアヤつけてしまった感じになるのもツライですよぉ~」

通心の声
(どうだ?言い切り返しができたんじゃないか?刺さったか?つーか、あの馬、老馬主さんが当歳の時買った値段が2000万だろ?それを、一番おいしい時期には自分で賞金掻っ攫っといて、出がらし状態になったとたん、50%で1500万だと?マジで回収しにきやがったのか?元々の売買代金おれが知らないと思ってるんか?あああ意味がワカラン)

老「そうかい?まぁ、一応皆さんにも話を振っておいてよ!いい話だと思うよ~」
通「わかりました。一応、話は振ってみますが、仲間の皆さんも仔分けや当歳・1歳の馬も結構な数居ますし、皆さんもあの馬は老馬主さんの馬運で走ってたのを知ってるので、恐れ多いですよ!って話になると思いますよ~・・・」


なんてことだ・・・
やばい営業かけられちまったな・・・

あ、先輩馬主に折り返さなきゃな・・・

通「あ、先輩馬主さん、お疲れ様です!老馬主さんと電話中で出られませんでした。老馬主さんと話しましたって?」
先「ああ、話したよ!なんだか、OP馬の話と俺が夏に買った当歳馬の話をしたよ」

通心の声
(ん?当歳馬?ふーん・・・。ま、そんなことより、OP馬の話が先だ。)

通「先輩馬主さんは、なんて言われました?」
先「あのOP馬まだまだ重賞の1つや2つ取れそうだから、一緒に持たないかい?詳しい話は通君としとくからさ!って言ってたから、電話してみたんだけどどういう話なの?まぁ、老馬主さんには俺もお世話になってるから、100万200万の話なら乗ってもいいかな?って思ったんだけどさ。」

通心の声
(おいおい・・・重賞の1つや2つって・・・。そりゃいくらなんでも吹っ掛け過ぎだろうよ・・・。まさか先輩馬主、信じてねーよな・・・)

通「いや、実は、50%を1500万くらいでどうだ?って言われちゃったんですよね・・・」
先「ええええ?そりゃ高いね・・・。老馬主さん、ちょっとやらかしたね~(苦笑)」
通「そうなんですよ・・・だから、他の皆さんも、あの馬は老馬主さんの運で走ったようなものなので、途中から参加してアヤつけるの嫌がると思いますよ・・・って話はしたんですけどね・・・」
先「まぁ、そうだろうね。この件は通君に任せるよ。」

通心の声
(うわ・・・バトンが帰ってきちまったよ・・・。なんで、何でもかんでも俺に押し付けるんだこの人らは・・・。)

通「わ、わかりました。老馬主さんには、そのOP馬で稼いで、来年のセレクトでいい馬一緒に探しましょうよ!それで、その馬に乗らせてくださいよ!って、みんな言ってます!って事にしておきますね・・・」
先「そうだね、そんな感じで頼むよ!それはそうと、セリで買った馬の件で、牧場に○○先生が見に行ってくれたみたいで、いい馬ですね~って褒めてたらしいぞ!ありゃいい買い物だったかもしれないね~!」
通「え?○○先生って、老馬主さんがご贔屓にしている調教師の○○先生ですか?」
先「そうそう。」
通「え?なんで○○先生が牧場に見に行ったんですかね?」
先「え?老馬主さんが、○○先生に話をしたんじゃないのかな?」
通「えええええええ??????」

通心の声
(老馬主、否、あの不良老人め・・・ヤリヤガッタ。自分が買ったわけでもない、まだ共有で乗っているわけでもない馬を自分の贔屓にしてる調教師に教えやがった・・・。悪い先生ではないんだが、違う調教師に預けようと思ってたのに、これじゃその調教師に預けるしかなくなっちまうじゃねーかよ・・・。完全に先手を打たれちまった・・・。老馬主さんはジャイアンか!俺の馬は俺のもの、お前の馬も俺のもの!ってか!)

通「先輩馬主さん、スミマセン。釈迦に説法だとは思いますが、この業界、当歳・1歳の馬を調教師に見に行かせるってのは、「アンタに預託したいけど受けるつもりある?」って言うことと同義でして、この状況から、違う調教師に預託するというのもなかなかの不義理になるといいますか・・・こちらから話を振っておいて、やっぱり違う厩舎に預託するね~!なんていう軽いノリで立ち回ると、一瞬で悪いうわさが流れるといいますか・・・評判は下がりますよね・・・。もう少し成長してから、馬の特徴や、脚元の状況を見て、馬にあった厩舎を選んでから、先輩馬主さんに進言しようと思っていたんですが、ヤラレマシタね・・・。すぐに、老馬主さんに電話して詳細確認してみますね。」
先「あ、確かにねぇ・・・、そういう義理も出ちゃうよね・・・」

ワケガワカラン。
老馬主さんの暴走振りに振り回されっぱなしじゃないか・・・。
って、先輩馬主も「あ、確かにねぇ・・・」って、しらばっくれやがって・・・。
こうなったらしょうがない、やってやる!電話で老馬主・・・否、あの不良老人を詰めてやる!

通「あ!老馬主さん!度々スミマセン。今、先輩馬主さんと話してたんですが、先輩馬主がセリで・・・
老「え、なに、先輩馬主君、買ってくれるって?」

通心の声
(っておい!人の話は最後まで聞けぇぇぇぇ!)

通「いや、スイマセン。その話はまだ結論出てないんですが、それよりも、先輩馬主がセリで買った馬、○○先生に見に行かせたって本当ですか?」
老「ああ!先週一緒に飯食ったから、見てきたらいいっしょ!って言っといたんだぁ!そしたら、すぐに飛んでったみたいで、なかなかいい馬ですね!是非やらせてください!って言ってたし、アイツにやらせればいいっしょ(笑)」
通「マジですか・・・、いやぁ・・・」

通心の声
(アイツにやらせればいいっしょ・・・って、軽く言いますが、よそ様の馬だし、そんなノリで決めるようなことでもないと思うんですが・・・)

老「ん?駄目だったか?それじゃー断るかい?ん?ん?」

通心の声
(え?なに?俺、脅されてる?詰めるどころかギャク切れ気味じゃん。えーーーー。これ、顔見たら絶対に目が笑ってないんだぜ。ニコニコしながら絶対に目が笑ってないパターンなんだぜきっと・・・。マジ怖えーよ・・・。電話だし、知らん振りして俺も切れるか?いや・・・キレられるわけねーよな・・・あーあ・・・。)

通「いやいや、すぐにそこまでの結論を出す必要はないと思いますし、見てもらってしまったなら、今の段階ですぐに断れないですし、もしかすると、栗東にもっていく事も視野に入れていたので、その場合にはお断りするかもしれませんが、いやぁ・・・困りましたね・・・」
老「なにが困ることある?だいじょうぶだぁ!今からキッチリプレッシャーかけてしっかり見させればいいっしょ(笑)」

通心の声
(いや、それもそうなんだけど、そもそもあの馬、俺の馬でもないし、老馬主さんの馬でもなくて、先輩馬主が買った馬ジャン・・・。それを何で、外野二人が預託先まで決めてるの?って話になるわけで、やっぱり老馬主さんはジャイアンなわけで・・・)

通「ま、まぁ・・・そうですね。確かに、2歳馬の扱いは上手な厩舎ですし、預託予定の育成牧場の場長とも仲の良い調教師さんですから、まったく駄目って事ではないんですが・・・」
老「それなら決まりっしょ(笑)それはそうと、よくよく考えたらさ!OP馬の話は無かったことでいいよ!通君の言うとおり、確かに高齢だしね!よくよく考えたら値段もつけづらいしね~!」
通「・・・・・・・・・」

通心の声
(なんて日だ!今日はいったいなんて日だ!なんでこんなに振り回されなくちゃいけねーんだ、ち~くしょう~、ち~くしょうめ~!)

通「あ、じゃぁOP馬の話は、仲間の皆さんにも考え直したよ!って言っておきますね。」
老「はいはい、頼んだよ~!それはそうと、通君、OP馬はちょっとアレだったんだけど、500万下条件のあの馬を共有でさぁ・・・・」

もうええわ!

と言ったとか言わないとか・・・。

老馬主との戦いはまだまだ続く。
この物語はフィクションです。

じゃーな!


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